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AI活用によるDXの重要性とは|M&A仲介の成約2倍事例で解説

AI DX 重要性

Photo: AlphaTradeZone / Pexels

AIを組み込んだDXの検討では、まず「どの業務判断をAIに委ねるか」を定義する必要があります。ツールを導入してから用途を考える進め方では、既存業務のデジタル化にとどまり、成果指標の改善につながりにくいためです。本記事では、AI活用DXの定義と重要性を整理したうえで、M&A仲介会社で成約数が2倍になった実装事例[出典: 株式会社ALT 支援事例]を具体的に解説します。

AI活用DXとは何か

AI活用DXとは、紙や手作業のデジタル化にとどまらず、人が担ってきた「判断・選別・作成」の工程をAIに代替させ、業務プロセスと収益構造そのものを組み替える取り組みです。

従来のDXとの違いは、対象とする工程にあります。

観点従来型のDXAI活用DX
主な対象記録・共有・保管判断・選別・文書作成
代表的な施策紙帳票の電子化、SFA/CRM導入スコアリング、候補抽出、文面自動生成
効果の出方作業時間の短縮商談数・成約数など成果指標の変化
人の役割ツールへの入力AI出力の検証と意思決定

従来型DXは「入力の手間を減らす」施策が中心になりがちで、営業成果に直結しにくいという課題が残ります。AI活用DXは、これまで担当者の経験則に依存していた選別工程を仕組みに置き換える点が異なります。

なぜ今、AI活用DXの重要性が高まっているのか

結論として、重要性が高まっている理由は「既存システムの維持コスト」と「人手による選別作業の限界」が同時に顕在化しているためです。

経済産業省は2018年9月公表の「DXレポート」で、老朽化した基幹システムを刷新できない場合、2025年以降に年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性を指摘しました[出典: 経済産業省「DXレポート」2018年9月]。この指摘は、システム刷新と同時に業務プロセスを再設計しなければ投資が回収されにくいことを示しています。

加えて、生成AIの実務利用が広がったことで、これまで外注や熟練者に依存していた文書作成・候補抽出が社内で完結しやすくなりました。国内企業の生成AI活用状況については各種調査で普及の途上にあると報告されていますが、業種別の数値は調査ごとに定義が異なるため、自社の比較検討では出典と調査時点を確認したうえで参照してください[要確認]。

「AIを入れたのに成果が出ない」典型パターン

  • 目的が「AI導入」自体になっており、改善対象のKPIが定義されていない
  • 学習・参照させる自社データ(過去実績、成約履歴)が整備されていない
  • AIの出力を人が検証する運用ルールがなく、現場が使わなくなる
  • 効果測定の対象期間と比較対象が決まっていない

事例:M&A仲介会社で成約数が2倍になった仕組み

株式会社ALTが支援したM&A仲介会社では、AIによるマッチ度の自動算出・候補抽出・DM自動作成を導入した結果、成約数が2倍になりました[出典: 株式会社ALT 支援事例]。

導入前に何が起きていたか

M&A仲介では、譲渡を検討する企業に対し、条件が合致しそうな譲受候補企業をリスト化し、個別に打診文書を送付します。この工程は従来、担当者が業種・地域・規模・買収意向などを見比べながら手作業で行っていました。そのため、担当者の経験値によって候補の質にばらつきが生じ、1人あたりが打診できる件数にも上限がありました。

何をAIに置き換えたか

  1. マッチ度の自動算出:譲渡企業と譲受候補企業の属性・条件データを突き合わせ、適合度をスコア化する
  2. 候補の自動抽出:スコア上位の候補を自動でリスト化し、担当者は検証と優先順位づけに集中する
  3. DMの自動作成:抽出した候補ごとに、打診文面の初稿を自動生成する

置き換えの対象を「選別」と「文面作成」という、時間がかかるうえに属人化しやすい2工程に絞った点が特徴です。担当者は、AIが出した候補とスコアの根拠を確認し、送付可否を判断する役割に移行しました。

なぜ成約数の変化につながったか

打診できる件数が増えるだけでなく、条件適合度の高い候補から順にアプローチできる状態になったことが要因と考えられます。分母(アプローチ数)と精度(適合度)の両方が同時に動くため、成果指標に表れやすい構造です[出典: 株式会社ALT 支援事例]。

なお、M&Aに関わる情報の取り扱いは秘密保持契約や個人情報保護の観点が伴います。AIに入力するデータの範囲や外部サービスの利用可否については、自社の顧問弁護士など専門家に確認したうえで設計してください。

自社で進める場合、どの順序で検討するか

結論として、着手すべきは「工程の棚卸し」であり、ツール選定は後工程です。

  1. 業務工程を分解する:リスト作成、選別、初回接触、提案、契約など、単位ごとに分ける
  2. 時間と属人性で工程を評価する:所要時間が長く、担当者によって成果差が大きい工程を特定する
  3. AIに委ねる範囲と人が判断する範囲を線引きする:出力をそのまま送るのか、人の承認を挟むのかを決める
  4. 改善対象のKPIを1つに絞る:成約数、商談化率、対応件数など、比較可能な指標を選ぶ
  5. 検証期間を決めて比較する:導入前の同一期間と比較できるようデータを揃える

ベンダーを比較する際は何を見るべきか

他社と比較検討する段階では、機能一覧よりも運用条件の確認が判断材料になります。

確認項目具体的な質問
適用範囲自社の業務工程のどこを代替するか。人の承認はどこに入るか
データ要件精度を出すために必要な自社データの種類と量は何か
出力の検証AIの判断根拠を担当者が確認できるか
セキュリティ入力データの学習利用有無、保管場所、契約上の取り扱い
効果測定どのKPIを、どの期間で、何と比較して評価するか
運用体制導入後の改善サイクルを誰が担うか

同種の機能に見えても、既存業務への組み込み方によって成果は変わります。デモを見る際は、自社の実データに近い条件で出力を確認することをおすすめします。

よくある質問

AI活用DXは中小企業でも取り組めるか

工程を限定すれば着手可能です。全社基幹システムの刷新ではなく、選別や文書作成など単一工程から始める方法であれば、必要なデータ範囲と検証期間を限定できます。ただし、成果は対象工程と自社データの整備状況によって異なります。

成果が出るまでにどのくらいかかるか

対象工程と評価指標によって異なるため、一律の期間は示せません。比較検討時には、ベンダーに対して「どのKPIが、どの時点で、何と比較して評価されるか」を確認してください。

既存システムを刷新しないと始められないか

必ずしも刷新が前提ではありません。既存データを出力し、AI側で処理して結果を戻す構成をとる方法もあります。ただし、データの出力形式や更新頻度が制約になる場合があるため、初期段階で技術要件を確認する必要があります。

まとめ

AI活用DXの重要性は、記録のデジタル化ではなく「判断・選別・作成」という属人化した工程を仕組みに移せる点にあります。M&A仲介会社の事例では、マッチ度算出・候補抽出・DM作成という3工程を対象としたことで、成約数が2倍という成果指標の変化につながりました[出典: 株式会社ALT 支援事例]。

自社で検討する際は、まず工程を分解し、時間と属人性の大きい箇所を特定するところから着手してください。

株式会社ALT 編集部

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